何が、というのは難しいのだが例えば「がっこ」。
これは「抱っこ」。
また「ごはん、ごはん!」と言う。
ご飯の時間になってお腹が空くと、そのように言うのである。
その言い方が、小さな体いっぱいに弾けるように威勢が良くてほほえましい。
何が変わったのかなと思うと、以前は鳥を見ては「かっか」と言ったり、車を見ては「ぶー」と言ったり、対象を指すこと専らであったのだけれど、これから自分がしようとすることやしてもらいたいことをこのようにはっきり伝えてくるということが、新しいのかもしれない。
そこにエネルギーの放射を感じる。
「あんよ」とも言う。
勿論その意味は足だが、「こっちに来て、ここに立って!」という目的で「あんよ!」と言ってきたりする。
子供は自分の目的に合わせて、単語に複合的な意味を持たせるものである。
子供の心に憐れみはまだないように思われる。
まどかは『スイミー』という魚の絵本が好きで、金魚などを見ると「みー」と言う。
さて最近、煮干しが好きになった。
私の机に酒の肴として煮干しの袋があったのだけれど、残らず食べられてしまった。
これも「みー」である。
あんなに動いている「みー」が好きなまどかだから、干物になった「みー」はどう思うのかなと思ったのだが、単に美味しい食べ物だった。
金子みすゞの「さかなはほんとにかわいさう」の心が芽生えるのはいつなのだろうか。
そんな時どんな説明をしてやれるだろうか。
まどかの内的世界は少しずつ複雑になっている。
だからこの間までは言いたいことはほとんど全部理解してやれていたのだけれど、最近、分からないことが増えてきた。
いま1歳11か月なので、あと少ししたら言葉によって思いを伝えるということを始めるのだろうけれど、今は身振り手振りと片言の言葉(それもその多くは大概「うー」など)で一生懸命伝えようとする、最後の時期なのかもしれない。
ところでまどかの記憶力や洞察力は凄いものがある。
6月に多摩川に行って以来、暑さの盛りになっていたので行かずにいた。
涼しくなったので先日ようやく再訪した。
近くの公園を通って川岸に行く。
「ここ、来たの覚えている?」と訊くと、「うんうん」と言う。
その公園に実につまらない噴水があるのだが、その噴水があることを覚えていて「行こう」と指差す。
大人顔負けの記憶力なのである。
またフルートの動画をパソコンで観るのに熱中している話をしたが、写真フォルダーの中から「これ!」と探し出す。
沢山あるファイルの、その小さなアイコンを過たず見つけ出すこと、大人よりも速いのである。
フルート熱は冷めやらず、一日数回、パソコンの前に鎮座して20回30回と鑑賞する。
テレビは見せない方針なのだけれど(というか大人がそもそも見ない)、まあこれは良いかなと容赦して、楽しんでもらっている。
ちなみに、フルートを鑑賞する時は煮干しを食う、という不思議な行動パターンが出来上がってしまった。
パブロフ効果である。
2 件のコメント:
おはようございます。まどかくん、どんどん変化していきますね。フルートと煮干のギャップがたまらないです。続きを楽しみにしています。
madeleine さん
ほんとです。
「フルートを聴くからには煮干しを食べないと」というあの感じが何とも言えずおかしいです。
いつも読んで下さりありがとうございます。
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