2023/02/16

絵のこと

姉が尋ねてきた。
色々世間話をしていた。
姉が言う。「帰ると暇なんだよねー。まだいても良い?」
「んー、まあ、いいよ」

お互い暇人である。

しかしもう珈琲もお菓子もお昼ごはんも出してあげて、話題もそろそろ尽きてきた。
「じゃあ、俺は次の絵の下書きでもするから、好きにしてて」
「うん」
私は描き出す。

「なんか、急に凄く眠くなってきた」と姉。「寝て良い?」
「どうぞ」
ヨガマットを敷いてあげる。

「まあくんが絵を描き出したら、眠くなってきちゃったよ」
「俺が絵を描くと部屋の空気が特別な感じになるんだと言われたことがあるよ」
そう言ったのは、前の妻である。
「絶対それだ…」

姉は早くも寝息を立てている。
私は絵を描く。
静かな空間にさらさらと紙の上に鉛筆が立てる音と、ストーブの上の薬缶の音、そして、姉の寝息。

私にとって、絵はどうもそういうものであるらしい。
しかしそのことに気付いたのはなぜか最近のことだった。
絵を描いていると、大きな音で音楽を聴きたくなる。
それで滅多に聴かない感じの曲(マーラーの5番とか、トルトゥリエ演奏のバッハとか)を聴く。
飯時に聴くと胸焼けしそうな音楽である。
しかし絵を描いている時には不思議に、これがぴたりと嵌る。
多分彼らが変人で、好きなことをやり尽くそうとした人だから、今まさに我が道に没頭している自分に、それが響き合うのだ。
そういう音楽が、心の深い所を掘り返してくれるのを感じる。
掘り返された部分は、ほくほくしている。
それで新たな絵がまた生まれてくる。

色々な迷いとか、つい深刻に考えてしまうことなども、絵の彼方に消えてゆく。
そして玉突きのように力が湧いてきて、ピアノもチェロも、弾きたい気持ちになってきた。
弾く時の気持ちも以前とは変わっている。
弾いていなかった歳月の中で、音像みたいなものは独自に成長を続けていたことが分かる。

私の場合、いわば絵がお皿になって、その上に初めて色々な果物が乗る、というような具合になっているのかもしれない。
『カラーパープル』も、そんな話である。
主人公は裁縫によって、それまでの不遇と苦しみを全てひっくり返してしまった。
そんなお皿のような、または全ての扉を開ける最初の鍵のようなものが、多分、誰にもあると思う。
探そうと思えば簡単に見つかるような代物ではないけれど、そういうものは必ずあると思う。

自らを癒すもの、それこそが人を癒やす力をも持つのだろう。

そして出来上がった絵は、これです。

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