42歳

42歳になった。

と言っても私が生まれたのは23時7分のことなので、この時点ではまだ生まれていない。

つまり私が初めてこの世界の光を見たのは11月17日のことだったのだ。

そのことに先日初めて気が付いた。

それで納得が行ったのだが、車で走っていると非常にしばしば1117のナンバープレートを見る。

エンジェルナンバーというものに興味はない。

しかし恐らくここには私個人に対して何らかの含みがある。

1116の深夜に生まれた自分にとって、1117は多分、光を意味するのである。

私の人生は実際、闇から光へと向かっている。

それは小我を浄化し、大我と一つになる過程なのである。

人は誰もが、宇宙の道徳において罪びとであると私は考えている。

逆にそうでなければ人間になど生まれてこない。

私たちは膨大な量の我執、強欲、恐怖、狭量、偏見、無知、憤怒、疑心と共に生まれてくる。

それによる罪を犯したのは今生のことだったか。

いや、既に遠い過去生のことだっただろう。

その時に得た痛みや報いや罪悪感を、私たちは心の中に引き摺っている。

それが私たちの心を不自由の中に捉えている。

その檻のすぐ外は光でいっぱいだと言うのに…。

悲しいかな、私たちは自分がいついかなる罪を犯したのか記憶にない。

そして今いかなる罪を犯しているかについても自覚がない。

懺悔文

我昔所造諸悪業（がしゃくしょぞうしょあくごう）

皆由無始貪瞋痴（かいゆうむしとんじんち）

従身語意之所生（じゅうしんごいししょしょう）

一切我今皆懺悔（いっさいがこんかいさんげ）

我れ昔より造る所の諸の悪業は、

皆な無始の貪・瞋・痴に由る、

身・語・意従り生ずる所なり、

一切、我れ今皆な懺悔したてまつる。

貪（貪欲）、瞋（怒り）、痴（無知）は、私たちに罪を犯させる三大元凶である。

そして身（行い）、口（言葉）、意（思い）はその三つの出口なのだ。

言うまでもなく、私は法的な意味では罪人ではない。

が、霊性の観点では罪を犯してきたし犯している。

だからここに生まれたのだ、ここにいるのだ、ということに深く気付いたのは、この一年のことだった。

自分の苦しみの訳を考えている内に、そのことを理解できた。

自分に罪びとの自覚がない時にのみ、人はこう考える――「なぜ自分が」と。

それこそが最大の責め苦なのである。

そのような思い違いを私たちはしばしばしている。

起きていることはまさしく自分にふさわしい。

しかし、それは罰ではなく、導きなのだ。

宇宙は決して誰のことをも虐めない。

自分にその犯した罪の在り処を明らかにするために、逆境というものはしばしばもたらされる。

今では自分に足りなかったものが分かっているし、これから身に付けるべきものも分かっている。いくらかは、それなりには。

その意味で――いやどんな意味においても、今の自分は幸せである。

自分がなぜこうして今ここにいるのか、そしてどこへ向かえば良いのか、分かるのだから。

孔子は「四十にして惑わず」と言ったが、私は「四十二にして惑わず」となるだろうか。

そんな一年にしていきたいものである。

最後に、私がこのように愛と赦しに向かう成長の道を歩むことが出来るのは全て皆様のおかげと感謝を申し上げます。

皆様から日々とても多くのことを学ばせてもらっており、それが自分を強く明るく健康な方へと向かわせる力となっています。

十人並みの人格的成長を辿れなかった自分に足りないものを皆様が平然と持っている――そのことに気付くたびに、より良い人間になるために自分に必要なことが見えていきます。

また、求められること、感謝されること、関心を持たれることによって、自分の輝きが増していくことも、日々実感する所です。

これからもどうぞよろしくお願いします。

何をどうよろしくなのでしょうか？

日本語は便利ですね。

しかし最後は言葉の曖昧さを埋めるに足る皆様の分厚い優しさを信頼して――

これからもどうぞよろしくお願い致します。

23時7分までまで41歳の

カワベマサノリ

撮影：麻子さん