死者の霊

先日、体調不調の方を診た。

しかし大して問題があるように見えない。

血色も良いし、目もちゃんと開いている。

体も温かい。

それでも急に体調不良に陥ることがしばしばあると言う。

最近この方は結構、健康的に危ない所まで行って、連続的なヒーリングで立て直してきた所だった。

順調に事は進んでいたので、まさかこの上問題が出てくるとは思わなかった。

私はそういう時、すぐにヒーリングしたりせず、とりあえず椅子に座ってのんびり構える。

それで世間話したりしながら様子を伺う。

すると問題がだんだん炙り出されてくることがある。

これ以降Ｎさんと呼ぶ。

結論から言うと、Ｎさんの亡くなったお母さんの霊が近付いてくると、Ｎさんは具合が悪くなる、ということが最近起きているのだろうと見込みをつけた。

そういうことは別に珍しくない。

普通に起きることである。

現代社会の通念はそういうことを信じないので、体の不調は体の中に問題があるはずだと考えるのだが（こういう考え方を唯物論という）、そういうものではない。

とは言え私自身、こういうことをあまり言わない。

「霊的な干渉」というようなことは確かによく言う。

しかしそれは飛んできた塵や埃や花粉を分析したがらないのと同じで「まあ、いいでしょう、そういうのも色々あるということで」と不問にしているのである。

理由としては、この辺のことに私自身あまり関わりたくないからだ。

面倒くさいのである。

しかし先日、この問題が持ち込まれた時に、自分の好みを別として、やはりそういう目で見ていくことも取り入れていかねばならないのかなあと思った、自分の仕事として。

それで今、書いている。

死者の霊はどのようなものでどのように働くかということについては『遺書』に詳述した。

だからここでは略述して、この方の身に起きたことに関する範囲で説明する。

亡くなったお母さんが近付いてくると、Ｎさんが体調不良になるからと言って、亡くなったお母さんに悪意があるのではない。

しかし好きだからこそ粗末に扱ったり、可愛がろうとして赤子を泣かせたりとか、そういう「思い」と「行い」のずれみたいなものは、ままある。

基本的にはそれと同じことが起きている。

生者である我々はどのようにこれに応じるべきだろうか。

「仕方ない」

これに尽きると思う。

Ｎさんは「お母さんの訴えを聞くのはどうでしょう、何か訴えがあるなら」と言った。

そういう霊能者が知り合いにいるのだと言う。

私は否、と言った。

「生前、お母さんの話を聞こうとしてどうでしたか？」

「結構つらいことを言われました」

「でしょ？今聞いたって同じことですよ」

死んだからってその人の性根が改まる訳ではない。

生きている内に子に辛く当たった人は死んでも子に辛く当たる。

だから聞いてはいけないのである。

「そんなつらいことを言われた後、お母さんの話を聞きたいと思いましたか？」

「もう聞きたくないと思いました」

「ね、だからそれでいいんですよ」

死んだからってその人との関係が改まる訳ではない。

人は死ぬと安易に人を美化する。

安易に反省したりする。

しかし生前上手く行かなかったものは死後も上手く行かない。

生きている間しか、変わることは出来ないのである。

そのために私たちの人生はある。

別に私はＮさんのお母さんを断罪しているのではない。

良い人だって、配偶者とか子供とかにだけは変に意地悪になるなんてこともある。

Ｎさんのお母さんが悪い人だったなどと言うつもりはない。

ただＮさんとお母さんの関係は悪かった。

しかし親子の情というもので、ふらりと死者の霊が近付いてくることがある。

そんな時、両者の関係は悪いから、その反映として体調不良に陥るということがあるのだ。

死者の霊が去れば、体調不調もすぐに解決する。

死者の霊のみならず様々な霊に干渉されるというのは人間一般に起きることだが、ある種の人にはとりわけ起き易い。

私なんて、そうである。

仕方ないので個性の一部と認めつつ、長期的にはそんな自分を変えていこうと努力している。

最後に、この件に関して健康について述べたいと思う。

私たちは日々の営みや試みによって健康を維持することが出来る。

しかし霊的な干渉があった時、その全てはいとも簡単に崩れ去る。

それが「物」と「霊」の基本的な関係なのである。

これは覆せない。

これを嘆いたり不満に思ったりする人もいるかもしれないが、それは人間の分を超えたわがままである。

これは堤防と洪水の関係、土留めと土砂崩れの関係と同じこと。

やれるところまではやれるけど、無理な時は無理、という話。

仕方ないものは仕方ないので、そういう理由で具合が悪くなったら寝たり遊んだり、無視して仕事したりすれば良いのである。

あんまり深刻に考えるのは良くない。

  

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●スケジュール

10月16日（土）10時　瞑想教室（1000円／初回5000円）

10月20日（水）牡羊座満月

11月5日（金）蠍座新月

（＊ヒーリング対面は7000円、遠隔は5000円）

●真呼吸会　毎週日曜。10：00～10：20。無料

●瞑想教室　不定期

●お問い合わせ
①LINE：atelierkoshiki
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●ヒーリング

対面7000円／遠隔5000円 ／マッサージ10000円（＊学割、未就学児割あり）

出張もします。

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その他、CD、絵、小説の販売もしています。

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『遺書2021ーヒーラーが教える世界の秘密』15,000円

『真日本文明論』10,000円

『イエス新論』5,000円

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