恥ずかしがらずに自分を見せよ、自分を語れ

Zさんは数年前に私が差し上げた助言に従って、物づくりの作家になられ、今もそれを人生の中心に据えて過ごされている。

私は常に忘れっぽい人間なので、その助言をしたことを忘れているが。

そして先日、久しぶりにZさんがいらした時にまた一つ助言をした。

「ラベルに名前を明記するように」そして「顔を出すように」と。

特に後者について、抵抗があることは分かっていた。

人の個性は色々である。

表に出て皆の注目を集めたい人もいる一方で、できれば陰に隠れていたい人もいる。

これは個性なので、どちらでも良い。

しかし仕事に関しては徹しきらないといけないことがある。

一人の作家として生きていくには、顔を出す勇気も持たねばならない。

勿論、これについても好みというのは個性なので、絶対の正解がある訳ではない。

そこで私はこう問うた。

「ある作家の個展に行こうかなとあなたが思うとする。

その時、プロフィール写真がある人とない人と、あなたはどちらにより興味を持つだろうか？　親しみを持つだろうか？」

「プロフィール写真がある方」とZさんは言った。

絶対の正解がある訳ではない、と言ったのは、「いや、私はそういうものには全く興味がない。作品にしか関心がない」という考えの人もいるからだ。

それならそれで構わない。

しかし自分が受け手の時は「プロフィール写真がある方が親しみが持てる」と言い、しかし自分が与え手になる時は「プロフィール写真を出すのはちょっと」となるのはなぜだろうか？

それは「恥ずかしい」という否定的な動機を判断基準にしているからだ。

否定的動機で行動すると、否定的な結果しか得られない。

Zさんが行き詰っているようなので、この助言をしたのである。

このように、与えるものと受け取るものは一致させないといけない。

まずは自撮りをしてみたら良いのだ。

どんなに下手な写真、気に入らない映りでも構わない。

宇宙に対して、人生に対して、「私は恥ずかしさを克服します」という決意を示すことがまず第一歩である。

一回取っ掛かりがつくと、「次はもっとこうして撮ってみようかな」とか「こんな背景や服装で撮ってみようかな」とか、気持ちが動いてくる。

こういうことの繰り返しの結果、自分を見せることは他人へのサービスの一種である、ということが自然と分かるようになる。

あなたは、あなたの顔を見せることを恥ずかしいと思っているかもしれないが、他人はあなたの顔を見ることで「こういう人が作っているんだ」という安心を得るかもしれない。

自分の利害損得だけで考えていると、自分が他人に与えられる良きものに気付けない。

これは作家や私のようなサービス提供者だけに限らない。

自問してほしい。

自分が恥ずかしい思いをしたくない、攻撃されたくないというだけの理由で沈黙していないか？――あなたが言葉を発すれば誰かが得するのに、そのことに気付かずに。

Q1.他人の得より自分の見栄を優先していないか？

Q2.「いいな」と思う人と同じことを、自分もまた他人に対してしているか？

【スケジュール】

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8月27日（土）乙女座新月（遠隔5000円／アトリエ10000円）

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9月10日（土）魚座満月（遠隔5000円／アトリエ10000円）

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