本日10時真呼吸会
どちらかが
「何かそんな感じのことを匂わせていたよ」
とか言った。
するとすかさず、
まどかが鼻をすーすー言わせた。
大いに笑うと共に感心した。
暮らしの中で
「いい匂い」とか
「何か臭うね」とか
言うことはあるだろうが、
それに比べれば
「匂わせる」なんてことは
使用頻度が断然低い。
それにもかかわらず
彼が「匂わせる」を
お鼻スースーのことだと
過つことなく連想したのは
「語幹」を正確に把握しているからである。
「にお・う」
「にお・わない」
「にお・わせる」
勿論、名詞としての「におい」も含まれる。
一体どういう回路が働いて、
我々はこういうことを自然と学習するのか
謎である。神秘である。
こういう驚きが絶えない。
面白いと言えば、
また別の日に、買い物に出かけた。
まどかが「お!」と言い指を指す。
見上げるとスターバックスのシンボルマーク。
それからお母ちゃんを指差し
「お!」
まどかの目には
同じに映ったらしい。
うむ、
確かに似ているかもしれない。
ご存知の方、どう思いますか?
こんなふうに色々なものに素早く反応し、
あれとこれを繋げ、
何かを思い出し、
何かを要求し、
止むことがない。
随分、知性が鋭敏である気がする。
その分、ぼーっとしていることもないので
色々相手をしてやらないといけない。
いつも刺激を求めている。丁度良い段ボール箱が手に入ったので
まどか小屋を作ってみた。
こういうことをやり出すと
もはや自分が夢中である。
黒い横穴部分は窓になっている。
反対側にもある。
そして扉があり、コルクでドアノブを付けた。
天井にも開閉窓があり、
他にも幾つか穴が開いている。
食事の時は、食べさせてもらうのを好む。
思うに、前世が帝なのである。
自分で食べられる癖に、
食べさせるよう要求する。
そこでこの小屋の中で、あるいは外で
スプーンが窓から差し入れられる(差し出される)となると
帝的には気分は最高である。
暫くこれで遊んで、
子供は小屋に対してどのような要望を持つものか
一通り観察したら
木材で小屋を作ってやろうかと思う。
最近は多摩川沿いを車で走ると
どうしても川を見たいまどかである。
「水がボクを呼んでいる!
石ころもボクを呼んでいる!」
といった所だろうか。
雨は降りそうだったが車を停めて
少しの時間だけ、川原に行った。
しかし結局この日は
これだけで満足して頂いたのであった。
こんな具合で主張が実に強く、
何に対してもはっきりと反応する。
この時期に沢山の「選択」や「反応」をさせることは
知性の発達上、非常に重要に思える。
世界と能動的に関わるということを学ぶ、
恐らく最初の時期なのである。
そんな訳で、
日本酒を買いに行った時も、
選ばせてみた。
一通り目を走らせてから
「これ!」と指差す。
何によって判断しているのか
非常に興味深いものがある。
「選ぶ」という行為の意味を
正しく理解していることが分かる。
ちなみにその酒は美味かった。
「選ぶ」という行為の機会提供は
子供の発育上、
とても難しい問題であるように思われる。
完全に受動的なだけでは
知性への刺激が不足するが、
何でもかんでも選ばせれば我儘を助長しかねない。
また子供に選ばせたからには
それを叶えてやらなければ
無用の挫折感と諦めを学習させてしまう。
人生に対する気力・無気力、
能動性・受動性の問題は
敢えて思い切って言えば、
1歳半で既に始まっているのだろう。
やる前から正解は分からないので
注意深く観察しつつ、
基本的には能動性を助長し、
またある時には節度のある受動性を
教えていこうと考えている。
最後に。
まどかが摘んできた花を耳に挿してやると
女優のようであった。
しかし別の日には
肛門その他一式を
高々と私に見せつけてくるまどかであった。
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